「国境なき医師団」を見に行く
いとうせいこう(著)
著者が、ハイチ、ギリシャ、フィリピン、ウガンダの国境なき医師団(Médecins Sans Frontières, MSF)の活動拠点を見て、スタッフや患者さんたちに話を聞いてきたという話である。
つまり、著者の目を通した、上記4拠点におけるMSFの活動の紹介である。
読む前は医者の話がメインかなと思っていたが、それ以外のスタッフも多く書かれていた。
医者が医者の仕事以外をしないで済むように、診察する場所、薬などの調達等さまざまなロジスティクスをこなすスタッフや、患者と医者の間で宗教や習慣によるトラブルが起こらないように仲介するスタッフ等がいて、その人たちも紹介されていた。
ロジスティクスは軽視されがちだが、
MSFはロジスティクスがしっかりしているからこそ、世界のあちこちで医療を展開できているのである。
内容は重いが、著者の文体によって、四角いイメージの国境なき医師団ではなく、丸いイメージのMSFが表現されている。
見てきた話であるが、「見に行く」と過去形ではないところに意味があると思う。
2023-03-19 14:41
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