秘密諜報員ベートーヴェン
古山和男(著)
楽聖ベートーヴェンが残した「不滅の恋人」への手紙は、2世紀を経た今になっても、「不滅の恋人」が誰であるかの議論が続いている。
著者は、その答えは「自由(の女神)」であると述べている。
この本の面白いところは、当時の経済、政治状況からアプローチをしているところである。
具体的には、ナポレオンによる大陸制度とロシア遠征、それにともなう新興企業家の台頭と没落等が述べられている。
「不滅の恋人」への手紙は、その歴史の分岐点に書かれたそうである。
音楽好きにも楽しめるが、それよりも、歴史や経済に興味がある人間の方が楽しめる本だと思う。
最終的には、ベートーヴェンは「自由」のために音楽で戦った闘士(いわば、自由の志士)という、従来のイメージとは大きく異なるが、大変説得力のある結論に達している。
日本でいえば、坂本龍馬のようなイメージになる。
あまりに壮大で面白いので、これで映画を作ったらベートーヴェンや彼の音楽のイメージが変わって楽しいだろうと思う。
2011-10-30 11:45
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