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脳はいかにして言語を生みだすか

武田暁, 猪苗代盛, 三宅章吾 (著)
人はほとんど反射的に言語を話したり聞くことができる。当たり前ではあるが、考えてみれば不思議なことである。
というのは、脳はニューロン(ミクロな電池・発振器)という神経細胞の集合体と考えられている。ちなみに、ニューロンの反応速度は1ms程度である。
これが複雑につながりあって、頭の中を電気信号が駆け回らなくては処理できないにも関わらず、耳が音を周波数と強度の情報としてとらえ、脳がそれを瞬間的に理解し、間違えることなく言語を発することもできる。

幼児が言語を覚える過程も、考えてみれば不思議である。
生まれたときには言語も犬の鳴き声も物理的には音にすぎないのだが、言語だけは、ただの音ではなく、音素・音節・単語と認識し、文法まで身に着けてしまう。

物理学者である著者等は、人、猫、猿、鳥の脳に関する膨大な研究結果を元に、「言語を生みだす機構は、脳のどこにいかにして備わっているのか」を推論している。
著者等は、「文法はどこかに規則として明示されて記憶されているのではなく、脳内の構文木構造の存在とその機能が、個別言語によらない普遍的文法規則である句構造規則を表現しているように思われる。」と書いている。

考えてみれば、日本語と英語は語順が異なるぐらい遠い存在であるが、お互いに翻訳可能である。
つまり、言語は完全に自由なものではなく、共通するなにかが存在すると考えることもできる。
言語も脳が生み出したものである以上、脳の構造が反映されたものと考えるのが妥当だと思う。
そう考えれば、著者等が書いていることが妥当なことと思える。

言語を覚えるということは、その言語に脳機能を対応させるということなのだろう。

脳はいかにして言語を生みだすか (KS科学一般書)

脳はいかにして言語を生みだすか (KS科学一般書)

  • 作者: 武田 暁
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/07
  • メディア: 単行本



2012-12-23 20:33  nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
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