逆資本論
井上純一(著)
気候変動や日本のデフレにいかに対応すべきかが描かれた漫画である。
引用文献と引用箇所が明記されている、論文みたいな漫画である。
著者の他の経済漫画と同様に、奥さん(月さん、読者代表)に著者が説明する形式になっている。
分かりやすくて面白く読めるようになっている。
この本では、気候危機対策と経済成長を成し遂げるための考えが描かれている。
ラストのマルクスさんがカッコよい。
マルクスの経済論はある時期までは教養の一つであったが、いまはそうではないのかもしれない。
p.189の「電気量」は「電気料」の誤植だろうと思う。
家康江戸を建てる
門井慶喜(著)
徳川家康公が関東に移ったとき、江戸は水害が多いうえに飲み水が乏しく人が住むには不向きな土地であった。
そのような土地を大勢の人が住めるように変えるだけでなく、経済、文化をはぐくむための土台を作る必要があった。
この本は、家康公の江戸整備にまつわる5つの話からなる小説である。
章立ては以下の通りである。
第1話 流れを変える、第2話 金貨を延べる、第3話 飲み水を引く、第4話 石垣を積む、第5話 天守を起こす
利根川の流れを変える作業の先頭にたった代官や市中の職人等の活躍が書かれている。
いまの東京の礎を築いた人たちの話でもある。