hal's blog: 羅針盤の殺意天久鷹央の推理カルテ: SSブログ

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羅針盤の殺意天久鷹央の推理カルテ [編集]

知念実希人(著)
天久シリーズが大好きなので、新刊を読めるだけで嬉しく、当然のように面白い医療ミステリである。
かつてはアスペルガーと呼ばれ、いまは自閉症スペクトラム障害の一種とされる特性を持っている鷹央の師の御子神氷魚が、小鳥遊に
「私たちみたいな特性を持っていると、社会から拒絶されることが多い。だから、いつの間にか他人に強い警戒心を持つようになって、ヤマネコみたいに気性が荒くなる。けれど、小鳥遊先生と話している鷹央君は、飼い猫みたいに可愛らしい。懐いているんだね。」
と語っている。
天久シリーズの最初、小鳥遊が天久病院に派遣されたばかりのときの鷹央はヤマネコだったが、お人よしであり鷹央を拒絶しなかった小鳥遊を下僕にして、可愛らしい飼い猫になったという展開だったのだなとこのセリフを読んで気づいた。
猫好きの著者ならではの表現で、面白くて説得力がある。