人民は弱し官吏は強し
星新一(著)
著者の父(星一氏)の話である。
アメリカ帰りの星一氏が製薬会社を興し、国にいじめられたという話である。
タイトルになった、「人民は弱し官吏は強し」は星一氏の言葉のようで、憲政会の政治家に潰されたと認識していなかったのだろうか、と思った。
鶴見俊輔氏の解説が面白い。
鶴見氏は、星一氏が鶴見氏の祖父の後藤新平氏を兄貴分に選んだのが間違いであったと断言しているし、実際にそうであったのだろう。
でも、その義理堅いところが星一氏の人間的な魅力であったのだろうと思う。