優しい死神の飼い方
知念実希人(著)
ファンタジー推理小説で、『ごおるでんれとりばあ』の体に封じられた死神とその飼い主となった娘の話である。
死神といっても、命を狩り取る死神ではなく、高橋留美子著の「境界のRINNE」の死神に近く、ニコラス・ケイジとメグ・ライアンが出演した「シティ・オブ・エンジェル」のエンジェル(天使)のような存在である。
有限の人生についての考えが語られている。
> おまえがすべきことは、(中略)限られた時間の中で精一杯生きることだけだ
疲れそうだけど、それはそうなかなと思う。
でも、
> なにかを残そうとする行動、それこそお前たちが、『人間が』この世に存在する意義だ。その過程で『魂』は磨かれ、美しく輝き出す
なにかを残そうとする行動って、どうだろう?
だから、21世紀の日本に、死神が派遣されることになるという理屈なのだろう。
ちなみに、魂は死後も亡骸から離れ存在し続けるようなので、肉体とは別のなにからしい。
ムゲンのiでは魂と心が重要な位置を占めるのだが、その違いが分からず頭がこんがらがったのだが、この本を読んで著者の魂の定義が分かった気がした。
『ごおるでんれとりばあ』が好きで『しゅうくりいむ』が大好きな私は、『ごおるでんれとりばあ』の『れお』の描写が楽しくてしょうがなかった。
たしかに、柴犬ではこうはいかないし、ラブラドール・レトリバーはイメージが賢すぎてゴールデン・レトリバーならではの愛嬌がある抜けた感じのイメージが伝わってこなかったろうと思う。
絶妙な設定である。